占星術の歴史
テレビや新聞、雑誌などの占いのコーナーで、必ず案内されるのが「星占い」です。星占いが広く普及している背景には、星占いの持つ長い歴史があります。
占星術の起源
占星術の起源は、約4000年前(紀元前2世紀)の古代バビロニア(現在のイラク周辺)まで遡ります。バビロニアは世界四大文明の内の1つであるメソポタミア文明の発祥の地でもあります。
当時はすでに、太陽や月、その他の星の位置関係や周期を明らかにする天文学の探求が行われていました。
また同時に、天体の運きと地上の世界に起きる様々な出来事を関連付けて、物事の吉凶を占っていく占星術の研究も行われていました。
ただ、この頃占われていたのは個人の運勢ではなく、国家の運命や干ばつ、疫病など、地上に起きる大きな事変でした。
なお、この時代には太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星の七天体が占いに使われており、7日周期の思考が確立されました。
ギリシャにおけ占星術の発展
紀元前3世紀頃にギリシアに占星術が伝えられるとより精密さが増し、星と全ての物質や動植物における事象が密接に関連付けられていきます。
それによって、人体に起きる変化と黄道十二宮の関係が繋げられます。黄道十二宮とは、春分点を起点(0度)として30度ずつ太陽の通り道を区切り(黄道)、12の星座に分類されたものです。
なお、春分点とは、春分の日の太陽の位置(天球上)のことです。
そして、十二宮では性別(男性・女性)の2区分、性質(活動・不動・柔軟)の3区分、四大元素(火・地・風・水)の4区分が設けられます。
十二宮の区分
①2区分
- 男性宮:陽性、積極、外向的
- 女性宮:陰性、消極、内向的
②3区分
- 活動宮:激しい変化
- 不動宮:安定
- 柔軟宮:小さい変化
③4区分
- 火:熱&乾
- 地:冷&乾
- 風:熱&湿
- 水:冷&湿
黄道十二宮と12星座
- 白羊宮:牡羊座
- 金牛宮:牡牛座
- 双児宮:双子座
- 巨蟹宮:蟹座
- 獅子宮:獅子座
- 処女宮:乙女座
- 天秤宮:天秤座
- 天蝎宮:蠍座
- 人馬宮:射手座
- 磨羯宮:山羊座
- 宝瓶宮:水瓶座
- 双魚宮:魚座
占星術の集大成となるテトラビブロス
2世紀になると、ギリシャの天文学者のプトレマイオスが「テトラビブロス」という占星術書を著し、それが占星術の集大成とされています。
現代の占星術を辿っていくと、必ず「テトラビブオス」に行きつきます。いわば、占星術の教科書です。
まとめ
占星術は古代バビロニアにおいて、天文学と並行して探求されます。当時は天体と地球における現象が強く結び付いていると考えられていたことが、占星術に繋がります。
風水の歴史
テレビのバラエティ番組で、たまに風水が採り上げられることがあり、『財布の色を黄色にすると、お金が貯まる』だとか、『部屋の南側に白い家具を置くと、運勢が良くなる』などと話されています。
風水という言葉は広く周知されていますが、その歴史まで認識している人はあまり多くありません。
風水の起源は古代中国の「気」
風水とは、およそ4000年ほど前の中国に発祥した、大地にあるエネルギーの「気」を利用した環境学のことです。
古代中国では大地に気があると信じられていました。墓地の選定法を記した「葬書」に、「気は風に乗って則ち散じ、水に界れば則ち止まる。
ゆえにこれを風水という」という記述があります。さらに、「人が生まれる時は気が集まって骨に命を与え、死ぬと骨だけが残される。
そのため、良い気が集まる場所に死者の骨を埋葬すれば、良い運気とともにまた新たな命が一族に誕生する。」としています。
そのため、中国では国王が首都や自分の墓、長男の出産場所、戦を起こす場所などを決める際は、風水師に占ってもらっていました。
また、古くから中国の文化を採り入れている日本でも風水が利用されており、794年に桓武天皇によって造られた平安京は風水の占いに基づいています。
そして、徳川家康が江戸の町を形成する際も、天海僧正が推奨した風水を参考にしたとされています。
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風水における四神
また、古代中国では東西南北の4つの方向に、野獣(霊獣、聖獣)の姿をした神がいると信じられていました。そのため、4つの神にちなんだ場所に建物などを造るようにしていました。
四神
その4つの神が「四神」と呼ばれており、中国の神話に登場します。
- 東:青龍(龍)
- 西:白虎(虎)
- 南:朱雀(鳥)
- 北:玄武(亀と蛇)
四神はそれぞれの方角で人間を守っています。
四神相応
風水では、四神を以下の特定の地形に置き換え、その地形を備えた場所が最良の場所としていました。
- 青龍:川
- 白虎:大きな道
- 朱雀:平野(湖・沼)
- 玄武:山
実際に、平安京は東に鴨川、西に山陰道、南に巨椋池、北に船岡山や鞍馬山があります。
江戸の町も、東に平川(現神田川)、西に東海道、南に江戸湾、北に富士山が立地しています。
なお、北東は鬼門と言われ、鬼が出入りする方角として、万事に忌むべき方角とされていました。
また、鬼門の通り道である裏鬼門は鬼の通り道であり、鬼門と同等の意味を持っています。
まとめ
風水は紀元前2000年の中国において、大地に気があると信じられていたことに始まります。それが、運気の在る場所や色を占うようになった現在の風水の基になっています。